不動産取引にはどんな登記があるのか勉強しておいた方がいい?
不動産登記に関わる様々な登記についてどんなものがあるか、ご存知ですか?
今回は、”不動産売買”において重要となる所有権移転登記、抵当権設定登記、抵当権抹消登記についてご紹介していきます。
所有権移転登記を学ぶ
不動産の所有権が移転する際に、その所有権の変更を公的に記録する手続きです。
この登記を行うことで、新たな所有者の権利が法的に保護され、第三者に対してもその権利を主張できるようになります。
以下のような状況で必要となるものです。
売買:不動産の売買契約が成立し、所有権が売主から買主に移転する場合
贈与:不動産が贈与され、所有権が贈与者から受贈者に移転する場合
相続:不動産の所有者が亡くなり、相続により所有権が被相続人から相続人に移転する場合
交換:不動産の交換契約により所有権が移転する場合
所有権移転登記を適切に行うことで、新しい所有者の権利が法的に保護され、不動産取引が安全かつ円滑に進むことが保証されます。
この手続きを怠ると、後にトラブルが発生する可能性があるため、所有権の移転が発生した場合には速やかに登記を行うことが重要です。
司法書士に依頼して行うのが一般的です。
また、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続によって不動産を取得した相続人は、
その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととなりました。
正当な理由なくこれを怠ると、10万円以下の過料の適用対象となります。
抵当権設定登記を学ぶ
不動産を担保にして借入を行う際に、その担保権(抵当権)を公的に記録する手続きです。
この登記を行うことで、債権者(お金を貸す側)の権利が法的に保護され、借入人(お金を借りる側)が借金を返済できなくなった場合に、
債権者がその不動産を競売にかけて債権を回収する権利が確保されます。
抵当権設定登記は、登記の順位により優先権が決まります。
早く登記された抵当権ほど優先されるため、債権者は迅速に登記を行うことが重要です。
主に住宅ローンや事業資金の借入時に行われることが多く、不動産を担保にした借入の際には欠かせない手続きです。
司法書士によって行われることが一般的です。
抵当権抹消登記を学ぶ
抵当権の効力を終了させるために、その抵当権を登記簿から削除する手続きです。
主に、借入金の返済が完了し、担保としての不動産に設定された抵当権が不要になった場合に行われます。
これにより、不動産の所有者はその不動産を完全な形で自由に取引できるようになります。
抵当権を外す(抹消する)ためには借入金を完済する必要があるため、借入金相当の現金を用意するかもしくは借入金返済を賄える金額での売却を実現する必要があります。
そのため、多額の借入を行って購入した不動産は流動性が低くなる傾向が強くなります。
抵当権抹消登記を適切に行うことで、不動産の所有者はその不動産を売却したり、再度担保に提供したりすることができるようになります。
金融機関などから借入を行った上で購入し、抵当権が設定されている物件を売却する流れは下記の通りとなります。
借入金返済を賄うことができる金額以上での売買契約を締結する
↓
抵当権者(借入を行っている金融機関など)から発行される抵当権解除証書(借入金が完済されたことを証明する書類)、
抵当権設定契約書(抵当権が設定されたときの契約書)、登記識別情報(俗に言う権利証)を抵当権者から連携を受ける
↓
抵当権抹消登記に掛かる登録免許税の支払い
↓
法務局に抵当権抹消登記申請を行う
抵当権者から書類の連携を受けるところから抵当権抹消登記申請まで司法書士に代行してもらうのが普通なので、
一般の方はまず直接触れることはありませんが、どういった流れで行われているのかを把握しておくことはとても大切なことです。
こういったことを正確に把握できていれば、自分が所有している物件が最低いくら以上でないと売却ができないのかという判断をスムーズに行うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。登記というテーマ一つを取っても、様々なものがあります。
より理解を深めて、主体的に捉えることができるようになると、見えてくることも増えてきて、不動産取引が意外とシンプルなものということがわかってくると思います。引き続き学んでいきましょう。