
不動産投資のリスクとその対策方法を学ぼう!
「不動産投資はリスクが高いから怖い」
そんなふうに思っている人は多いのではないでしょうか。
不動産投資に関わらず、投資はリスクを伴うものです。また、リスクがあるからこそ利益を得られるという側面もあります。
もし不動産投資に興味をお持ちであれば、まずは不動産投資のリスクの種類やリスク対策方法をしっかり理解しておくことが大切です。本記事でわかりやすく解説します。
■不動産投資のリスクには何がある? 代表的な8つのリスクを対策とともに紹介
投資をした結果で得られる利益や損失をリターンと言いますが、投資におけるリスクとはこのリターンの振れ幅(不確実性)の大きさを意味します。
一般的に、振れ幅が大きい商品は大きなリターンを期待できる反面、元本割れなどのリスクも高くなります(ハイリスクハイリターン)。一方で振れ幅が小さい商品は、リスクは低いですが期待できるリターンも小さくなります(ローリスクローリターン)。
不動産投資におけるリターンは、購入した不動産を賃貸することで得られる賃料収入(インカムゲイン)、売却することで得られる売却益(キャピタルゲイン)です。
前者の場合、不動産を保有して賃貸できている限り安定的に利益を得られますが、購入額や管理費用といったコストを回収するまでは、ある程度の時間がかかります。
後者の場合、購入金額より高く売った場合は利益に、安く売った場合は損失になります。
それでは、不動産投資におけるリスクとは、具体的にどのようなことがあるのでしょうか。代表的な8つのリスクを対策の一例とともに見ていきましょう。
●空室リスク
所有する不動産に空室が発生することで、賃料収入が得られなくなるリスク。ローン返済や不動産管理にかかる費用などの支払いが困難になる可能性があります。空室が増えたり空室期間が長くなったりすることで、さらに経済状況が悪化する可能性があります。
<リスク対策>
・入居需要の高い立地を選択する
(例)交通アクセスがよい、商業施設や学校から近いなど
・入居需要の高いアセットタイプを選択する
(例)子育て世帯が多い地域は一軒家や広めのマンション、単身世帯が多い地域はワンルームマンションなど
●修繕リスク
不動産の経年劣化や予期せぬ故障、損傷などにより修繕費や設備費が発生するリスク。外壁や屋根の塗り直し、配管やエアコン、給湯器などの交換、建物全体の大規模修繕、入居者が退居した後の原状回復などがあります。
<リスク対策>
・購入前に不動産の現状をよく確認する
(例)築年数、構造、立地条件など
・長期的な修繕計画を立てる
(例)将来的な劣化を鑑みたコストのシミュレーションをする、毎月の家賃収入から一定割合を修繕積立金として備えるなど
・不動産の維持、管理を徹底する
(例)定期的に清掃や点検、メンテナンスを行う、設備の状態確認までカバーしてくれる不動産管理会社を選ぶなど
●金利上昇リスク
不動産購入時にローンを組んだ場合、金利の上昇によって毎月の返済額、総返済額が上がるリスク。賃料収入では返済をまかなえなくなり、預貯金から支払わざるを得なくなる可能性があります。
<リスク対策>
・ある程度の資金を手元に残しておく
(例)金利上昇の際に返済額へ充てる、繰上げ返済に充てて返済期間の短縮あるいは返済額の軽減を図るなど
・不動産購入時、固定金利でローンを組む
・不動産を売却する
(例)買い手がいて、売却額がローン残債より多ければ売却して利益を確定するなど
・現金で購入する
(例)手持ちの現金に余裕がある場合、現金で購入するなど
●家賃滞納リスク
入居者の家賃未払いなどにより、賃料収入を得られないリスク。ローン返済や管理にかかる費用などの支払いが困難になる可能性があります。
<リスク対策>
・入居審査を厳格に行う
(例)入居希望者の職業や収入、信用情報などを確認するなど
・保証の手厚い不動産管理会社を選ぶ
(例)家賃保証会社と提携していたり、連帯保証制度が設けられたりしている管理会社を選ぶなど
●災害リスク
地震や火災、洪水などの災害発生により建物が被害を受けるリスク。故障や損壊によって多額の修繕費用が必要になることで、収益に影響を与える可能性があります。
<リスク対策>
・災害リスクの低いエリアを選ぶ
(例)ハザードマップなどを確認し、できるだけリスクの低いエリアを選ぶなど
・保険で万が一に備える
(例)オーナーや入居者が地震保険、火災保険へ加入する。
・物件の耐震性を高める
(例)耐震診断を実施し、必要な箇所に耐震補強工事を行うなど
●倒産リスク
賃貸管理を委託している不動産管理会社が倒産するリスク。不動産の清掃やメンテナンス、入居者からの問い合わせ対応、家賃の送金などの管理業務が停止し、運用に支障をきたす可能性があります。
<リスク対策>
・取引前に不動産管理会社についてよく調べる
(例)経営状況や管理実績、倒産時の責任範囲を調べる、複数の管理会社と比較するなど
・新たな不動産管理会社を探して委託する
●家賃下落リスク
経年劣化や築年数増加、人口減少(賃貸物件の供給が過剰)などにより家賃が下落して賃料収入が減るリスク。ローン返済や管理にかかる費用などの支払いが困難になる可能性があります。
<リスク対策>
・入居需要の高い立地を選択する
(例)交通アクセスがよい、商業施設や学校から近いなど
・不動産の付加価値を向上させる
(例)リノベーションにより需要の高い間取り、インテリアに変える、インターネット環境の完備やモニター付きインターフォンの設置といった設備を充実させるなど
●不動産価値下落リスク
社会情勢や景気の変化、開発計画といったマクロ要因により、立地エリアの価値が低下するとともに不動産の価値も下落するリスク。賃料収入や将来の売却益が減少する可能性があります。
<リスク対策>
・不動産の立地エリアを長期的な視点で検討する
(例)土地の開発計画の予定、将来性も考慮しながら、需要と供給について情報収集をするなど
・不動産の維持、管理を徹底する
(例)不動産管理会社に委託して定期的に清掃や点検、メンテナンスを行うなど
・不動産の付加価値を向上させる
(例)リノベーションにより需要の高い間取り、インテリアに変える、インターネット環境の完備やモニター付きインターフォンの設置といった設備を充実させるなど
■まとめ
不動産投資における8つのリスクを解説しました。
さまざまなリスクが考えられますが、お伝えしたように不動産投資を始める前からできるリスク対策、万一起こってしまった場合の対策もあります。
もちろん100%リスクを回避できるわけではありませんが、不動産投資にチャレンジするのであれば必ず理解を深めておきましょう。