
不動産を買うときの保証会社ってなに?どんな役割があるの?
不動産購入のための住宅ローンなどを調べた経験があれば、「保証会社」という言葉を見たことがあるでしょう。年利の部分に「保証料を含む」といった表示があり、「これは何だろう?」と疑問を抱いた方もいると思います。
今回は、ローンを組む際に関わる保証会社について、わかりやすく解説します。
保証会社の役割とは?
保証会社というと、賃貸物件において連帯保証人の代わりに入居者の家賃を立て替えする家賃(賃貸)保証会社を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、今回言及するのはその保証会社ではなく、不動産ローンを契約する際に関わる保証会社です。
保証会社は、ローンを借りた人が万が一返済できなくなった場合に、借り手に代わって一時的に金融機関へ返済の立て替え(代位弁済)を行う「保証人」のような役割を担う会社です。あくまで立て替えであって、借り手の返済義務は残ります。
かつては、ローン借入時に親族などを保証人として立てるのが一般的な時代もありましたが、現在はこの保証会社を利用するスタイルが主流となっています。
保証会社がついた保証付きのローンは、申し込み前に保証会社による審査が行われます。借り手の返済能力、担保に入れる不動産や購入する不動産の価値から保証の可否を判断する、これも保証会社の大切な役割です。
保証会社の審査結果は、金融機関側が行う融資自体の審査結果にも大きく影響します。ローンの商品概要を見ていると、契約条件として「保証会社の保証が受けられること」と記載されているケースもよくあります。
保証会社が間に入ることで、銀行は返済が滞って貸し倒れるリスクを軽減できます。
一方で、借り手はローンを組むにあたって誰かに保証人を依頼する必要がなく、手間や精神的負担がなくなるメリットがあります。
保証会社の保証を受けるにあたっては、借り手に保証料の支払いが発生します。借入時に一括で支払う場合もあれば、ローン金利に含んでいる場合もあり、金融機関や商品によって異なります。
保証会社には2つの種類がある
不動産ローンに関わる保証会社には、大きく分けて「銀行系」と「独立系」の2種類があります。前者は銀行のグループ会社や子会社が運営しており、例えば、りそな銀行であれば「りそな保証」、横浜銀行であれば「横浜信用保証」などがあります。
後者は、銀行系ではない独立した保証会社です。今回はこの独立系に注目し、代表的な3社とそれぞれの特徴について紹介していきます。
1. オリコ保証(株式会社オリエントコーポレーション)
オリコ保証とは、クレジットカードやショッピングローンで有名なオリエントコーポレーション(通称:オリコ)が提供する銀行保証事業です。
1983年からスタートした歴史の長い事業で、全国に560カ所以上ある取引先金融機関で、保証業務を展開しています。
住宅ローンやリフォームローン、マイカーローン、フリーローンなど多様な個人向け融資商品に対応し、幅広い資金ニーズをサポートしています。
参考:
https://www.orico.co.jp/company/corporate/business/bankguarantee/
2. 日本保証(株式会社日本保証)
日本保証は、保証事業をメインビジネスとする会社で、アジア圏を中心に銀行、ファイナンス業を手がけるJトラスト株式会社が、全株式を保有しています。
提携金融機関が扱っている個人向け、法人向けローン債務の保証を行っており、特に個人向けにおいては地方銀行の保証業務が中心となっています。
不動産担保ローン、海外不動産担保ローン、手形割引、有価証券担保ローンなど多角的な金融保証事業を展開しているのが大きな特徴です。1970年の創業以来、長年培われた審査や債権回収のノウハウを有しています。
参考:
https://www.nihon-hoshou.co.jp/work/index.html#finance
3.セゾンファンデックス保証(株式会社クレディセゾン)
株式会社セゾンファンデックスは、クレジットカードの「セゾンカード」で知られる株式会社クレディセゾンが100%の株を保有する会社です。
信用保証事業をはじめ、融資事業、不動産金融事業など幅広く手がけています。
特に不動産担保ローンの保証においては、全国42カ所以上のさまざまな銀行、信用金庫などと提携し、2024年上期における保証残高は3,000億円に到達しています。
ローン保証業務における経験の豊富さや住宅だけでなく投資用不動産ローンの保証にも対応するなど、事業用途にも対応できる点が強みとなっています。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000109097.html
一般的に、ローンの契約時には、金融機関が提携する保証会社を利用することになるため、借り手が保証会社を選べるケースはほとんどありません。ですが、商品によっては複数の保証会社から選択できる場合もあります。
また独立系保証会社は、銀行系とは審査基準が異なります。そのため、銀行のローン審査に落ちた場合、あるいは通過が難しい場合、ご紹介したような独立系保証会社が提携する他の金融機関のローンを検討してみるのも一案です。
まとめ
保証会社は、金融機関と借り手の間に入り、信用リスクを分散する役割を担います。また借り手にとっても万一の際、心強い存在です。
不動産の購入、ローンの契約は大きな決断ですが、こうしたバックグラウンドの仕組みを知っておくと、より納得できる商品選びにつながります。
今回ご紹介した以外にもさまざまな保証会社がありますので、借り入れを検討する際は、ぜひ調べてみることをおすすめします。