
不動産投資における出口戦略は始める前に決めよう!ひとつの決め方を紹介します。
不動産投資を始めるとき、「どのような物件を買うか」「表面利回りは何%か」「どのくらい融資を受けるか」などの入口ばかりに目を向けがちです。しかし、最も重要なのは出口戦略、つまり最終的にどうなりたいのかを決めておくことです。
今回はその考え方の一つとして「ハッピーライン」を設定する方法と、出口戦略の立て方を解説します。
1. ハッピーラインを決める
はじめにハッピーラインを決めましょう。
ハッピーラインとは、不動産投資によって自分がいつ、どのくらいの資産や自由を手に入れたいのかを具体的に考える目標ラインを指します。
たとえば、ハッピーラインとして以下のような目標が考えられます。
- 10年後に月20万円の家賃収入が欲しい。
- 55歳で会社を辞めても、不動産収入だけで生活費がまかなえるようにしたい。
- 子どもが大学進学するタイミングで学費に困らないようにしたい。
このように、時間軸と金額、状態をセットで考えてみてください。
重要なのは、「できるかどうか」よりも「どうなりたいか」をまず先に考えることです。不動産は手段であり、目的ではありません。自分の理想の人生設計を考え、それに対して不動産投資が合っているかを検証していくことで本質的なアプローチができます。
2. 実現可能なのか検証する
次に、自分が決めたハッピーラインが現実的に到達可能かどうかを検証しましょう。
10年後に家賃収入を月20万円を得たいケースを例に考えてみます。
- 物件の購入金額:1,500万円
- 毎月の家賃収入:7万円
- 毎月のローン返済・管理費などを引いて手元に残るお金:2万5,000円
この場合、1戸で月2万5,000円の利益が出ます。20万円÷2万5,000円=8戸 となるため、同じような物件を8戸持てば達成できるということになるのです。
もしこの時点で、「10年後に月20万円の家賃収入を得るのは、自分の資金力・労力では現実的ではない」とわかれば、戦略を変えなければなりません。
物件のエリアやタイプ(マンションか戸建か)を変える、民泊・マンスリー運用などで収益性を上げる、DIYやリフォームで付加価値を高め賃料アップを狙うといった調整が必要です。大切なのは目的を諦めるのではなく、手段を柔軟に変えることです。
3. 不動産投資は時間をお金に変えるもの
不動産投資は、時間をお金に変える側面があります。
たとえば、新築物件を買ってローンを30年かけて返済していけば、30年後には無借金の資産として残ります。その時点で家賃収入がすべて自分のものになるわけです。
つまり不動産投資の多くは、時間がかかるけれど長期的に安定する仕組みであるとの前提を忘れてはいけません。
「今すぐ月20万円ほしい」「2年以内に仕事を辞めたい」と短期的に利益を得たい人には、不動産投資はあまり向きません。初期の融資返済、修繕、空室、税金を鑑みると、はじめの数年は赤字になることも珍しくないからです。
短期的に大きく稼ぎたいなら不動産投資よりも、スモールビジネスや副業など事業を立ち上げるほうが早く成果が出やすいです。
4. まとめ
不動産投資を始める前に、自分なりのハッピーラインを明確に設定し、出口戦略を考えるのが極めて重要です。
出口戦略があるからこそ、どのエリアで、どの物件を、どれだけの資金で、どのくらいの期間でという不動産投資の判断軸が明確になります。
なんとなく流行っているから、周囲がやっているからなどの理由で不動産を買ってしまうと、出口が見えず失敗するリスクが高くなります。
自分にとっての理想の未来を描き、それに合う手段として不動産を選ぶことで、投資がより自分らしいものになるはずです。