
新NISAで個別株投資を始めよう!銘柄選びを失敗しない3つのコツとは?
2024年から新NISA制度がスタートし、「今まで資産運用に興味がなかったけれど、投資を始めてみようかな」という方も増えています。
投資初心者の方は、まず投資信託から始められるケースが多いのではないかと想像します。その背景には「株投資は何となく難しそう……」「何の銘柄を選んだらよいかわからない」という不安もあるのではないでしょうか。
確かに、投資信託とは異なる知識や視点が必要ですが、個別株ならではの魅力もたくさんあります。
また、新NISAでは投資信託にも個別株にも非課税で投資できる「成長投資枠」が年間240万円に拡大されました。個別株投資に少しでも興味があれば、チャレンジする良い機会だと思います。
本記事では、個別株投資のメリットや注意点のほか、投資初心者の方が銘柄選びで失敗しないための「3つのコツ」をわかりやすく説明します。ぜひ参考にしていただければと思います。
個別株に投資するメリットとは?
個別株投資は、もちろん一般的な投資用口座でも取引できます。
では、NISA口座を利用するメリットにはどのようなことがあるのか。
3つのメリットを紹介しましょう。
値上がり益(キャピタルゲイン)が非課税になる
個別株投資は、購入したときの株価より高くなった時に売ることで「値上がり益」を得ることができます。
通常、この利益には約20%(所得税15%、住民税10%、2037年12月31日までは復興特別所得税0.315%も加算)の税金がかかりますが、NISA口座内で取引を行えば、この税金が全額非課税となります。
例えば、20万円で買った株が30万円に値上がりし、10万円の利益が出たとします。通常ならその利益から約2万円が税金として差し引かれ、手元には8万円しか残りません。
ですがNISAなら、10万円をそのまま受け取れるというわけです。
配当金(インカムゲイン)も非課税になる
個別株投資の利益には、もう一つ「配当金」があります。これは、企業が利益の一部を株主に還元するお金です。業績によるので、金額は銘柄により異なりますし、配当金がない場合もあります。
配当金にも通常は約20%の税金がかかりますが、NISA口座で保有している株の配当金は非課税で受け取ることができます。
NISAは、こまめな売り買いで利益を出したい方も、配当金でコツコツ資産を増やしたい方も、非課税の恩恵を受けることができるのです。
また、以下の2つのメリットはNISA口座の利用に限りませんが、投資信託にはない個別株投資ならではの魅力と言えるでしょう。
自分の好きな企業を直接「応援」できる
企業の株を購入して株主になることは、その企業の持ち主の1人となることを意味します。あなたの投資したお金は、企業の事業成長を支えたり、新しい製品やサービスを生み出したりする源となるわけです。
例えば、愛用している商品、大好きなお菓子、利用しているサービスなどを提供している企業の株主になれば、直接企業を応援できるのです。これは投資信託では味わえない感覚だと思います。
「株主優待」がもらえる
企業が株主に対して、自社製品やサービス、優待券、金券などをプレゼントする制度を「株主優待」と言います。海外ではほとんど見られない制度で、日本株ならではの魅力的な制度と言えるでしょう。
配当金に加えてこうした優待をもらえると、お得な気持ちになりますし、投資の楽しみが広がりますね。銘柄によって優待がないものもあります。また、保有する株数に応じて優待内容が異なる場合もありますので、事前のチェックを忘れずに。
個別株投資のデメリットとリスクとは?
魅力が多い個別株投資ですが、当然ながら注意すべき点もあります。始める前に、しっかり理解を深めておきましょう。
株価変動のリスク
個別株の株価は、企業の業績や世界情勢、経済の変化などさまざまな要因で大きく変動します。値動きは投資信託より激しく、短期間で株価が半分に……といった可能性も十分あります。
企業倒産のリスク
もし投資先の企業の経営や財務の状況が悪くなり倒産してしまった場合、その株の価値はゼロになる可能性があります。そうなれば、投資したお金は戻らないこともあります。
日頃から、投資先企業や株価の動き、経済ニュースなどはチェックしておくようにしましょう。
分散投資が難しいというデメリット
投資の基本は、いろいろな資産に分けてリスクを分散しながら行う「分散投資」です。しかし、個別株は1銘柄の購入にまとまった資金を要する場合もあります。少ない資金で多くの個別株を買って十分に分散された状態を作るのは簡単ではない、ということは理解しておく必要があります。
初心者が失敗しない個別株の選び方3つのコツ
リスクやデメリットを理解できたら、さっそく個別株の購入を考えていきたいところですが、「銘柄はどう選べばいい?」と悩んでしまいますよね。
そんなときは、初心者の方が銘柄を選ぶ際、覚えておいていただきたい3つのコツを、ぜひ参考にしてみてください。
コツ1:「応援したい企業」で選ぶ
これが、最もチャレンジしやすく、投資のおもしろさも実感しやすい方法だと思います。例えば、いつも寄るコンビニや毎日使っている鉄道会社、通っているスポーツクラブなど、自分にとって身近なサービスや商品を提供する企業から探してみましょう。
そうした企業に対しては、新商品や業績の変化などにも自然と興味が湧くものです。楽しく情報収集できますし、その企業のファンとして応援しながら長期的に投資を続けやすい面もあると思います。
コツ2:「配当金」や「株主優待」で選ぶ
「応援の気持ちだけでは決められないな」という方は、株主への還元の手厚さで選んでみるのも一案です。
企業のウェブサイトや証券会社のアプリでは、銘柄ごとの「配当利回り」「株主優待情報」をチェックできます。
配当利回りの高いものを重点的に探す、あるいは魅力的な優待がある企業を探すのもおもしろいです。また、そうしていろいろ銘柄を見ていると「私はこれを基準にしよう」といった選択の軸が作られることもあるでしょう。何より、定期的にもらえる配当金や優待は、投資を続けるモチベーションにつながりますよ。
コツ3:「少額で買える株」で選ぶ
個別株は、基本的に100株単位での購入となり、銘柄によって10万円以上の資金が必要になることもあります。初心者の方はそれがハードルとなるケースも少なくありません。そのため、はじめは数万円程度から購入できる株に限定して、投資の経験を積むというのも良い方法です。
また最近では、証券会社によって1株から購入できるサービス(単元未満株)も充実しつつあります。ミニ株とも呼ばれ、数千円で誰でも知る有名企業の株主になるといったことも可能です。まずは少額からでいいので、株を買ったり売ったり、配当金を受け取ったり……という一連の流れを経験してみると、個別株投資に慣れて不安も軽減されるのではないかと思います。
まとめ:まずは1歩、踏み出してみませんか?
個別株投資について、理解は深まったでしょうか?
ご紹介したように、個別株投資は「企業を応援できるおもしろさ」や「優待をもらう楽しみ」など投資信託にはない魅力を味わうことができます。
もちろんリスクがあり、余裕資金で投資を行うことは大前提です。
しかしながら、資金があるにもかかわらず、税金ゼロで投資できる環境でチャレンジしないのは少しもったいない気もします。
まずは身近な企業に、無理のない少額から始めてみませんか?
きっとおもしろさを実感できるはずです。
みなさんの挑戦を応援しています!
参考:金融庁ホームページhttps://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html