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不動産を開発する会社と販売する会社に分かれているのはなぜ?

不動産を開発する会社と販売する会社に分かれているのはなぜ?

不動産事業には、「不動産開発事業」「不動産販売事業」「不動産管理事業」などがあります。これらの事業は密接に関係している一方で、それぞれ別の会社が担うのが一般的です。

なぜ別の会社に分かれているのでしょうか?

今回は「不動産を開発する会社と販売する会社はなぜ分かれているのか?」という点について、筆者がこれまでの経験で学習したこと、読み取ったことをお伝えします。

不動産について学習したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.資金規模が異なるから

不動産を開発する会社と販売する会社が分かれている理由の一つ目は、必要とされる資金規模が大きく異なることです。不動産開発には、土地の取得、設計、建築工事などに多額の初期投資を要します。

加えて、建設業法や都市計画法に基づいた、建設業許可・特定建設業許可や建築士事務所登録などの各種許認可の取得が必要です。これらの許認可を得るには、高い資本金が求められます。

一方、不動産販売事業は比較的少ない資本金で始められます。販売会社は、販売を委託された物件を宣伝し顧客へ仲介するのが主な業務です。仕入れ原価が存在せず、必要な経費は新規出店時のコストを除くと、広告宣伝費や営業担当者の人件費が中心です。商品である不動産を自社で保有せずあくまで仲介の立場であることから、在庫リスクが発生しません。

不動産販売会社の主な売上は仲介手数料です。仲介手数料はそのまま売上総利益(粗利)となるため、効率のよいビジネスモデルとも言えます。

このように不動産の開発事業と販売事業では資金規模や事業リスクが大きく異なるため、それぞれ別の会社が行っているのです。

2.販売に関する責任の所在を明確にするため

不動産の開発会社と販売会社を分けるもう一つの理由は、責任の所在を明確にするためです。

たとえば新築マンションで雨漏りが発生した場合、それは設計や建築に関する問題のため開発側の責任です。一方で、「広告で駅徒歩5分と書いてあったのに実際はもっとかかる」というケースは販売時の誇張表現の問題であり、販売会社側の責任となります。

商品そのものに問題があるのか、販売手法に問題があるのかなどの責任を切り分けるということです。

また不動産販売会社は、大手から地域密着型の小規模事業者まで数多く存在しています。開発会社としては販売会社を柔軟に選定できます。万が一、ある販売会社との間にトラブルや不信感が生じた場合には契約を終了し、別の販売会社に切り替えることも可能です。

3.収益性が上がるため

不動産の開発会社と販売会社を分けると、収益が増えます。

不動産開発会社がマンションを開発したとします。事業者であるテナントへ貸し出せば賃料を回収でき、区分所有として部屋を販売すれば売却代金を得られます。

この際、自ら賃貸や販売を行うと原則として手数料はもらえません。しかし仲介会社が賃貸・販売すれば、借主と貸主、買主と売主の双方から仲介手数料を受け取ること、いわゆる両手取引が可能です。

開発会社が自社グループ内に販売会社を持っていれば、仲介手数料分をグループ全体の収益にすることができます。開発と販売の両面から収益を上げる体制を築けるのです。

さらに開発会社と販売会社が役割を分担することで、それぞれの強みを活かして効率的に事業を行えます。

4.まとめ

不動産を開発する会社と販売する会社が分かれている理由は、筆者がこれまでに学習したことから以下の3点であると考えています。

1.資金規模が異なるから

2.販売に関する責任の所在を明確にするため

3.収益性が上がるため

それぞれの理由を考えることで、不動産事業について勉強できたのではないでしょうか。不動産のことを学習したいときは、身近な不動産に関する「なぜ?」という疑問を出発点にしてみてください。

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