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起業の入口が不動産投資という選択肢

起業の入口が不動産投資という選択肢

「いつか独立してみたい」「自分で何か事業をやってみたい」──そう思ったことがある人は、決して少なくないはずです。でも実際には、「何から始めればいいのか分からない」「いきなり会社を作るのは怖い」と感じることもありますよね。

まずは本を読んだり、セミナーに参加して知識を得るところから……と考える方も多いかもしれませんが、“会社を辞めずに、事業を行う“という選択肢はいかがでしょう。それができるのが「不動産投資」という選択肢です。

会社員にとって不動産投資を行うことは、収入の柱を増やすことだけではなく、「自分のビジネスマンとしての幅を広げる」ことにもつながります。本記事では私の体験談をもとに、不動産投資を行うメリットについて、またなぜ不動産投資がおすすめなのか、お話ししていきたいと思います。

「まずはやってみる」のきっかけは不動産投資だった

私自身「いつかは自分の会社を持ちたい」という夢を大学生の頃から持っていました。しかし、具体的に何をするかも、いつやるかも決まっていない状態です。「それならまずは社会に出てスキルを身につけよう」と、広告代理店に就職しました。その後、不動産投資に興味を持ったことがきっかけで、私は不動産業界に転職します。

不動産会社では、営業マンとしてキャリアがスタートしました。不動産販売の一連の流れや、社内でのコミュニケーションを通じて、少しずつ不動産の投資や管理、仕入れの知識も身につけていきました。

そんなときです。会社の方針で「社員が会社で扱っている物件を購入してもOK」という話が出てきたのです。もちろん、いきなり誰でも購入できるというわけではなく、役職者やある程度実績のある社員という制限はありましたが、これは思ってもみないチャンス。「法人を作って不動産を買う」というのが流行っているときでもありました。そこで私もそれにならって法人を設立し、不動産を購入することを決めたのです。

融資の仕組みと“属性”のリアル

物件を購入するには、当然ながら資金が必要です。当時は物件購入をするだけのまとまった資金がなく、融資を受けることになりました。
「法人を立ち上げたばかりで、何の実績もないのに、本当に融資が受けられるのだろうか?」
そんな不安でいっぱいだったのを覚えています。ところが、実際に融資を申し込んでみると、驚くほどあっさり融資OKの回答がもらえたのです。

想像と違って、金融機関が見ているのは、法人としての実績や規模ではなく“私個人の信用”でした。つまり、融資の審査では、代表者である個人が「安定した収入はあるか」「どういった会社に、どのくらい勤めているか」などの“個人の属性”を重視していたのです。こうして私は、東京都東村山市にある1棟のアパートを購入。こちらの物件は現在も持ち続けています。

立ち上げたばかりの法人ではありましたが、代表である私個人が、いわゆる“安定した収入のある会社員”という属性だったので、スムーズに融資を受けることができたのです。

このとき初めて、「会社員の信用力って、実はすごい武器なんだな」と痛感しました。

もしかしたらみなさんの中には「会社員で、法人の経営もないから難しい」と思っている方がいるかもしれません。しかしそれはまったくの逆です。「会社員という立場だからこそ」不動産投資は実践しやすいのです。

自分の法人を持つと、決算書が“他人事”じゃなくなる

法人を作って不動産を持つと、当然ながら売上が発生し、経費もかかります。つまり毎年「決算」をしなければなりません。
私も当時、帳簿をつけ、会計ソフトに数字を入れ、税理士さんとやり取りをしながら、会社のお金の流れを“見える化”していきました。

本で読んだことがある知識も、実際に自分の数字として扱ってみると、理解の深さがまったく違います。数字の一つひとつが“自分の損得に関わること”になるので、「なるほど!」と納得できるのです。

「支払手数料ってこういうものか」「減価償却ってこうやって計算されるんだ」「この支出は経費で落ちるんだな」など、今までぼんやりとしていた会計の世界が、一気に身近なものになりました。
少し余談になりますが、よく投資関連の本やビジネス書なんかには「決算書を読めるようになろう」と書いてありますよね。それはたしかに大事なことに違いありませんが、他人の会社の数字を見ても、自分事にならずどこかピンとこないはずです。

一方、自分の会社の数字、自分が出した売上、自分が支払った経費となればその考えは180度変わります。「もっとお金の流れを理解したい!」という気持ちが自然と湧き上がってくるのです。

事実、私も数字への理解が実感を伴ってきたことで、本業である会社営業の仕事にも変化がありました。交渉の場面などで費用の必要性や意味、長期的な効果など、一歩踏み込んで説明ができるようになったのです。

このように決算書を通して数字に強くなると、会社員としてのキャリアや、ステップアップにも必ず活きてくるはずです。これもまた、不動産投資の副産物といっていいでしょう。

経営の「裏側」を体感して分かったこと

さらに、法人を持つと「自分に給料を払う」ことになります。

ここでもまた、新しい発見がありました。

給料を払うためには、社会保険の加入手続きが必要ですし、税金の処理もしなくてはいけません。これまで会社員としては“自動的に引かれていた”ものが、すべて「自分で処理するもの」として目の前に現れます。

たとえば、社会保険料の手続きをうっかり忘れていると、「給与を払っているのに届出がないのですが、どうなっていますか?払ってください!」とすぐに催促が届きます。会社員のときにはない、「保険料を納める」というプレッシャーと重みを、初めて実感しました。しかしそのおかげで、社会保険とは何か、会社が負担する金額はいくらなのか、自分の報酬からどれだけ引かれるのか……といったことが、かなりクリアに理解できるようになりました。

会社員として働いていると、社会保険料も税金も給料から天引きされているので、仕組みについての理解が乏しくなってしまうのではないでしょうか。給与から引かれている金額が多くて、なんだか損をしているような気さえしてしまいますよね。

しかし、法人を経営していくと、「ああ、会社って個人に対して保険料を負担してくれてるんだ」「こんな控除が受けられるんだ」とありがたみすら感じるようになります。

さらに私は、「毎月、きちんと給料が振り込まれることも、税金や社会保険が処理されていることも全部、当たり前ではない。自分の知らないところでたくさんの人が動いてくれているからこそ、私たちは安心して働けていたんだ」という会社の仕組みに感謝すら覚えました。

かつて会社員の頃には、経理部から細かい指摘を受けては、「細かいなあ」と若干うるさく感じていましたが、現在では、「会社を正しく運営するために大切なことだったんだな」と改めて感じています。「経験を増やす」という意味において、法人経営~不動産投資はさまざまなことを教えてくれるのです。

「経営者目線」って、実はこういうことだった

こうした一連の経験を経て改めて感じることは「法人を持つと、世の中の仕組みが見えるようになる」ということです。決算、会計、税金、保険、そして事業のPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)……。こういった言葉が他人事ではなく、自分に直結する概念として理解できるようになる。それはまるで、観客席にいた自分が、いきなりフィールドに立つ感覚にも近いかもしれません。

とくに会社員が不動産投資を行う、というビジネスはそのモデル自体がシンプルでわかりやすいのが特徴です。

物件を選定する→融資を受けて購入する→家賃が入る→ローン返済をする→管理費や修繕費を支払う→そして残った分が利益になる。このようにお金の流れが非常に明確で、わかりやすいため、起業の入口には最適だと感じます。

その中で、「何が経費に該当するのか、しないのか」という金銭感覚も身に着くようになります。私自身そうだったのですが、会社員時代は何でもお金がかかることは「消費や浪費」と捉えていました。

しかし、経営者の目線になると、ムダは徹底的に省く、長期的に見て有益なものには思い切って投資する。時間や人の動き、継続や成長といった全体のバランスを考えて、そのお金の使い方の意味や効果を考えるようになりました。この判断が会社員としての行動に良い影響を与えたのは言うまでもありません。

法人設立のハードルは、思っているより低い

会社員として働きながら「法人を作る」というと、ものすごく大変なことのように感じられるかもしれません。

でも実際は、設立自体のハードルはそれほど高くありません。現在はオンラインでも設立手続きが可能ですし、資本金も1円からでOK。みなさんが想像している以上にハードルが低いととらえておいてください。

しかし、一方で「法人を作る会社にバレないの?副業NGでもできるの?」といったことが気になる方も多いのではないでしょうか。

私の勤めていた会社では、社員が法人を設立することに制限はありませんでしたが、基本なルールはありました。会社の業務と競合しないこと、勤務時間外で行うこと、会社のリソースを使わないことなどです。
勤務先によっては、副業や法人の設立には許可や届出が必要といった場合があるので、社内規定を確認してみるとよいでしょう。
副業NGなどのルールがある場合でも、実は「法人を持つこと」自体は禁止していない場合もあるので、確認してみる価値は十分にあります。

大きなリスクを取らなくても不動産経営は始められる

一方で、法人を設立しなくても、個人で不動産を購入し運用してみることは可能です。実際そうやって不動産投資をしている方を私もたくさん知っています。当然ですが、いきなり何億円もする物件を購入する必要は、ありません。1,000万円未満の小さな物件を運用してみる。それだけでも十分に学びがあります。

そういう意味で、取得費用が抑えられる空き家投資は、リスクを抑えつつ不動産経営を始めるのに向いています。用途が投資用と限られるワンルームマンションとは違って、売ったり、買ったりが自分のタイミングででき、小回りが効くのも、“経営の入門編”にはぴったりです。
いわゆるローリスクローリターンなので、空き家投資によって「たくさん儲かる」というような都合のいいものではありませんが、知識や経験を蓄積しながら、資産を育てることができます。
1棟目で一連のお金の流れや基本的なノウハウを学び、余裕が出てきたら2棟目、3棟目と所有を増やしていく。複数所有することで、安定したストック型資産を確立していくのが、無理のない現実的な不動産投資だと私は考えています。

何より、不動産投資を通じて、「給料以外の収入を得ること」、「経営という、もう一つの視点を手に入れること」は、きっとこれからの時代を生き抜く上で、大きな武器になるのではないでしょうか。

まとめ:会社員こそ、自分の法人を持ってみよう

私の最初の法人は、「不動産収入を管理する箱」としてスタートしました。でもその“ただの箱”が、自分にとっては人生や視点をガラッと変える大きな存在になりました。現在は、「不動産投資をしながら会社員をつづけた」という経験が、自身の法人経営にも活かされています。日々の業務を通じて得た知見や人脈が、自分のビジネスにもフィードバックされる。そんな循環さえ感じています。
「法人を持つと、世界が変わる」だなんて、ちょっと大げさに聞こえるかもしれません。でも、私自身が体験して感じたリアルな実感です。

もしあなたが、「今すぐ独立しようとは思っていないけど、何かやってみたい」と思っているなら、まずは小さな法人を作り、投資用の不動産を購入することが自身の大きな経験になるはずです。

繰り返しになりますが、法人経営は「会社を辞めて独立しなければ経験できないこと」ではありません。ぜひその一歩を踏み出していただけたらと思います。

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