
ふるさと納税したのに住民税が安くならない!?考えられる5つの原因と確認方法
初めてふるさと納税に挑戦し、「来年の住民税は安くなるはず!」と心待ちにしていたみなさん。
6月ごろ、手元に届いた「住民税決定通知書」で控除額が確認できたかと思います。
しかしながら、こんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「あれ…? 思ったより安くなっていない……」
「というか、去年と変わってない!?」
そんな時、「詐欺にあったかしら……」「せっかくふるさと納税をしたのに」などと不安に感じてしまうものですが、まずは落ち着いてください。
多くの場合、確認方法の勘違いやちょっとした手続きミスが原因なのです。
この記事では、こうした不安を解消すべく、ふるさと納税をしたのに住民税が安くならないとき、考えられる5つの原因、具体的な対処法までわかりやすく解説していきます。
もし住民税決定通知書(特別徴収税額決定通知書)があれば、お手元に用意してお読みいただければと思います。
※通知書は、個人事業主の方の場合、自宅に郵送されてきます。会社員の方の場合は会社を通して配布されますので注意してください。
住民税決定通知書の見方、チェックポイントは?
自治体によって書式は異なりますが、ふるさと納税で控除される住民税の額は、住民税決定通知書の「税額控除額」や「摘要」という項目に記載されています。
摘要欄の場合、寄附金税額控除額の表示とともに、金額が書かれているはずです。
ワンストップ特例制度を利用した場合、表示金額が「(寄附総額)- 2,000円」に近いものであれば、正しく控除が適用されています。
一方で、確定申告をした場合、所得税からの還付も行われているため、上記の金額よりは少なくなりますが、金額の記載があれば控除は適用されていると判断できます。
この欄に記載がない、または記載されている金額が明らかに少ない場合などは、次項目で解説するいずれかの原因に当てはまるかもしれません。
ふるさと納税で住民税が安くならない!考えられる5つの原因
ふるさと納税制度の控除が正しく反映されていない場合、以下のような原因が考えられます。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
原因1:手続き忘れ・手続きミス
最も多いのが、控除の手続き自体を忘れていたり、間違えたりしているケースです。
例えば、ワンストップ特例制度の申請書を出し忘れていないでしょうか? 各自治体への申請は、寄付するたびに必要です。
あるいは、確定申告が必要だったにもかかわらず、確定申告でふるさと納税の寄附について記載し忘れていないでしょうか?
原因2:書類の不備や提出期限切れ
手続きはしたつもりでも、不備があって受理されていない可能性もあります。
ワンストップ特例申請書にマイナンバーの記入や本人確認書類の添付を忘れているケースはよくあります。
また、ワンストップ特例申請書の提出が、「翌年1月10日の必着期限」を過ぎてしまうと受理されていない可能性があります。
原因3:控除の上限額を超えて寄附した
ふるさと納税で控除を受けられる金額は、年収や家族構成によって上限が決められています。
例えば、上限額5万円の人が8万円の寄附をした場合、控除対象となるのは上限額の5万円分までです。
上限を超えた3万円分は純粋な寄附として自己負担になります。
「思ったより税金が安くなっていない」と感じる場合は確認してみてください。
原因4:寄附者と控除を受ける人の「名義」が違う
これは非常によくあり、さらに気付きにくいミスです。
税金の控除は、「実際に税金を納めている本人」の名義で寄附しなければ適用されません。原則、「申込者名義」「支払者名義」「納税者名義」は、すべて一致させる必要があります。
例えば、控除を受けたいのが夫(納税者)だとしましょう。
ふるさと納税を行う際に「妻名義のクレジットカードで支払ってしまった」「ふるさと納税サイトの登録名義が妻になっていた」といった場合、控除の対象外となりますので注意してください。
原因5:タイミングの勘違い
ふるさと納税の控除が反映されるのは、寄附した翌年の6月以降に支払う住民税です。
例えば、2025年中に行った寄付の結果は、2026年6月から2027年5月にかけて支払う住民税に反映されます。
ですから、それより前の年月の住民税は、まだ安くなっていないのが正常です。
おかしいと思ったら?対処法と問い合わせ先
ふるさと納税をしたのに住民税が安くならない。その原因の特定が難しい、あるいは明らかにミスがあったと判明した場合、どうすればよいのでしょうか。
以下の3ステップを参考にしてみてください。
ステップ1:まずは記録を確認
ふるさと納税の寄附した際に送られてきた完了メールや、提出した申請書の控えなど、ご自身の手元の記録を再度確認してみましょう。
ステップ2:問い合わせる
記録を見てもわからなければ、今お住まいの市区町村の税務課(住民税担当課)に問い合わせてみてください。
電話や来所する際は、住民税決定通知書を用意しておくと話がスムーズにできます。
ステップ3:手続き忘れのリカバリー方法
もし、確定申告による寄附の申告を忘れていて申告期限も過ぎてしまったことが判明した場合、5年以内であれば「更正の請求」という手続きでさかのぼって控除を受けられる可能性があります。この場合も、まずはお住まいの市区町村の税務課、または管轄の税務署に相談してみてください。
まとめ
ふるさと納税をしたのに住民税が安くならない、というトラブルの多くは、今回ご紹介したような「うっかりミス」や「勘違い」が原因です。
せっかくのお得な制度も、仕組みを正しく理解し、手続きを確実に行わなければその恩恵を受けられない可能性があります。
もし今年「あれ?」と思ったら、まずは焦らずに通知書を確認し、原因を探って解決策を模索してみてください。そして、来年こそは万全の準備で、ふるさと納税の「お得」を確実に享受しましょう。