
賃貸管理事業ってどんな仕事をしているのか?業務の仕組みを紹介します!
不動産の賃貸管理事業は具体的にどのような仕事をしているのかご存知ですか?
不動産の賃貸管理事業とは、マンションやアパートに住むとお世話になる管理会社が行っている事業のことです。不動産について勉強する際は、売買事業や賃貸事業だけでなく、賃貸管理事業への理解を深めるのも有効です。
この記事では、賃貸管理事業の業務範囲や収益の仕組み、AD(広告料)の実態、保険会社や保証会社との関係性など、業界の仕組みを解説します。
1.賃貸管理事業の業務範囲
賃貸管理事業の業務は、オーナーに代わって物件を管理することです。具体的には、入居者の募集から契約、入居中の管理、退去時の対応まで多岐にわたります。
<入居者の募集・契約>
まずは入居者を探すのが賃貸管理会社の仕事です。入居者の募集戦略の立案、広告活動、内見対応、入居審査、契約書の作成などを行います。
<入居者の管理>
入居者が住んでいる間の管理も担います。家賃の管理、入居者からの問い合わせやご意見の対応を通して快適な居住環境を維持します。
<物件管理>
建物のハード面の維持管理も賃貸管理会社の仕事です。共用部の清掃、設備点検・メンテナンス、修繕・改修工事などを手配します。
<退去・精算業務>
入居者が退去するときには、退去の受付、立ち会い・物件状況の確認、原状回復工事の手配、敷金精算を行います。
2.賃貸管理事業の主な収入源
賃貸管理事業の収入源としてまず挙げられるのは、管理手数料です。管理手数料は毎月の賃料の数パーセントで設定されます。たとえば家賃10万円の物件であれば、月5,000円が収入です。
管理手数料には、家賃の集金代行、入居者からの問い合わせ対応、共用部の点検手配などが含まれます。安定して得られる収入ですが、実入りとしては大きくありません。
賃貸管理事業において大きな収入源となるのは、入退去のタイミングで発生する原状回復工事などです。
退去時には、クロス張り替えやクリーニング、設備の修繕といった原状回復工事が必要になります。賃貸管理会社は施工業者に工事を依頼し、そこに手数料を上乗せしてオーナーに請求します。
仮に工事の実費が5万円だとしても見積額を8万円とすれば、差額3万円が賃貸管理会社の利益になるのです。
3.AD(広告料)の仕組み
ADとは広告料のことで、入居者を紹介してくれた業者にオーナーが支払う紹介インセンティブのような報酬です。
広告料は物件によりけりで、なしの場合もあれば、AD1(家賃1か月分の広告料)、AD2(家賃2か月分の広告料)の場合もあります。
ADが高ければ高いほど仲介業者にとっては紹介したい物件になるため、成約スピードが早くなります。特に空室期間が長くなっている物件では、オーナーが早く成約させたいがためにADを追加するのです。
賃貸仲介業を行う会社もありますが、賃貸仲介会社が物件の仲介を行うケースも存在します。その場合、仲介手数料やADが収入になります。
4.保険会社や保証会社との連携
賃貸契約の際は、火災保険への加入が義務付けられています。また、家賃滞納時に家賃を立て替えてくれる保証会社の利用も求められるのが一般的です。
賃貸管理会社が、保険会社や保証会社のサービスを代理店として販売するケースがあります。入居者が火災保険や保証会社の契約をすると、賃貸管理会社に手数料が入ります。
賃貸管理事業は、保険や保証という商品を売ることで収入を得る側面もあるのです。
5.まとめ
賃貸管理事業では、オーナーに代わって入居から退去までのあらゆる業務を行い、物件を維持管理します。入居者が快適に暮らせる環境を保つことも役割の一つです。
賃貸管理事業では、オーナーからの毎月の管理手数料、原状回復工事の際の手数料、AD(広告料)、火災保険や保証会社紹介による手数料などが収入源になっています。
不動産のことを勉強する際は、この記事のように、不動産に関わる会社がどのようにお金を得ているかを調べてみましょう。事業の仕組みがわかれば、不動産への理解が深まるはずです。