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【不動産の学習】住宅ローン控除の歴史と現行のルール確認。自分にあてはめてみよう!

【不動産の学習】住宅ローン控除の歴史と現行のルール確認。自分にあてはめてみよう!

「住宅ローン控除」は知っていても、その歴史や制度の仕組み、控除金額の計算方法などまで把握している人は少ないかもしれません。マイホームは人生において「最も大きな買い物」と言われます。そうした大きな決断をする場合、節税につながる「住宅ローン控除」は必ず理解しておきたい制度です。

本記事では、住宅ローン控除制度の歴史や2025年時点での最新ルールをわかりやすく解説します。「4,000万円の物件を購入した場合」を想定したシミュレーション、源泉徴収票から控除額を知る方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも住宅ローン控除とは?制度の始まりと移り変わり

住宅ローン控除(減税)は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。個人が住宅ローンを組んで一定要件を満たしたマイホームを新築、取得、リフォームをした際、年末のローン残高に応じて、一定割合の金額が一定期間、所得税や住民税から控除される制度です。

住宅関連の税控除制度は、1972年実施の「住宅取得控除」が始まりで、当時は購入後3年間、取得金額の1%相当額の税金控除がされていました。その後、1987年からは住宅ローンが対象となり、住宅取得の促進や税負担の軽減を目的に、経済状況や住宅政策、環境意識の変化などに応じてたびたび制度要件が見直されてきました。

例えば、2006年から中古住宅は耐震性が重視されるようになり、2012年以降は脱炭素化や住宅の質向上を促す観点から省エネ性能の高い住宅の優遇措置が設けられました。2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅に関しては、所定の省エネ基準を満たさない場合、住宅ローン控除の対象外となっています。

ちなみに現行の住宅ローン控除制度は、2025年12月31日までの入居が要件となっています。2026年以降の制度存続については、2025年5月現在、わからない状況ですが、省エネ重視の流れはさらに加速することが予想されます。

現行ルールを整理しよう(2025年、令和7年度版)

では、現行の制度内容について整理してみましょう。
まず基本的な適用要件については以下の通りです。

・物件用途:自らが居住するための住宅であること
・所得制限:合計所得金額が2,000万円以下
・床面積:原則50㎡以上(新築住宅で所得1,000万円以下の場合は40㎡以上でも可)
・控除率:年末のローン残高の0.7%
・控除期間:新築住宅、買取再販(※)は最大13年間、既存住宅は10年間
(※)宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋

そして前述の通り、2024年1月以降に新築された住宅が控除を受けるには、省エネ基準として以下のいずれかの基準を満たす必要があります。確認のために「建設住宅性能評価書」や「住宅省エネルギー性能証明書」を提出します。

・認定長期優良住宅
・認定低炭素住宅
・ZEH水準省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅
(断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上)

借入限度額と控除期間は、住宅の性能や世帯構成に応じて定められています。つまり省エネ性能を満たす住宅かどうかで、年間の控除額も総額も変わってくるのです。


引用元:国土交通省ホームページhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

【シミュレーション】もし4,000万円の省エネ住宅を購入した場合は?源泉徴収票のどこを見ればいい?

では、実際に以下のような条件のマイホームを2025年に購入し、住宅ローン控除を受けた場合を考えてみましょう。

・世帯構成:子育て世帯
・物件価格:4,000万円
・住宅の種類:省エネ基準適合住宅(借入限度額:4,000万円)
・ローン借入額:全額(4,000万円)
・借入利率、借入期間:変動金利1%、35年間
・年末ローン残高(初年度の想定):3,944万円

初年度に所得税から控除される目安額は以下の通りです:

3,944万円× 0.7% = 約27万円

控除期間は「13年間」です。返済に伴い年末ローン残高は年々減っていくため、控除額も少しずつ減っていきますが、単純計算しても13年間で300万円以上の控除を受けられる可能性があります。

住宅ローン控除制度を受けるにあたり、控除の対象となる「自分の所得税額はいくらなのか」「どこから控除されるのだろう」という点は気になる方が多いでしょう。会社員の方は、常に天引きされているので日頃意識することはないと思いますが、年末に会社からもらう源泉徴収票で確認できます。

見るべきポイントは、以下の2つです。

① 「給与所得控除後の金額」
年収から会社員にとっての必要経費に当たる「給与所得控除」を差し引いた金額です。この金額が、制度適用のための所得制限「2,000万円以下」を判断する部分となります。

② 「源泉徴収税額」
ここに表示された金額が、給与から天引きされている所得税です。住宅ローン控除が適用されると、この「本来払うはずだった所得税」から控除額が引かれます。つまり、表示されている金額の範囲内で税金が戻ってくるのです。たとえば、「源泉徴収税額」が25万円の場合、シミュレーションの控除額の約27万円のうち、25万円は控除されることになります。

「じゃあ残りの2万円はどうなるの?」と思いますよね。
住宅ローン控除では、所得税から控除しきれない金額がある場合、翌年の住民税からも一部控除することができ、それでカバーできる場合があります。ただし、住民税で控除できる額にも上限があるので、全額戻ってこない可能性があることも知っておきましょう。また、会社員が住宅ローン控除を受ける場合、1年目は確定申告が必要となります。

まとめ

住宅ローン控除制度について、解説しました。
ご紹介したように、住宅ローン控除は条件を満たせば数百万円単位で節税が可能な非常にお得な制度です。一方で、住宅の性能や所得、床面積など、細かな適用要件が定められており、最大の恩恵を受けるためには事前に制度の内容を知っておくことがとても大切です。

人生における大きな買い物マイホームを賢く購入するためには、こうした制度を忘れずに活用していきましょう。制度内容や要件は年々変わっていきますので、都度、最新の情報をチェックするようにしてください。

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